お星様への願い
一昨日は曇りの七夕であった。
そんな日に某公園に逝っていたら、七夕の短冊を飾った木があった。
中くらいの背の木一面に飾りと短冊があり、とても可愛らしい。
これこそ日本の文化だなと。
子供たちのささやかな夢が、希望が、明日が、そこには込められているんだろうなと。
純真な心が描く夢をとは、いったいどんなものだろう。
申し訳ないが、それを見たい。
昔自分はどんなことをそこに書いたのか、今となってはもう思い出せないが、もしかすると見ることによって思い出すかもしれない。
きっと、無くしてしまった大切なものがそこにあるに違いない。
この汚れてくすんでしまった心を癒してくれる言葉があるに違いない。
それを見たら幼い日のあの頃へ戻れるに違いない。
そして、きっと明日へぼくも希望を持って逝けるのだろう。
そう思って、一枚の短冊をそっと見てみた。
「じてんしゃのかぎをパパがはやくかえしてくれるように」
パ、パパ!
何があったんだ!
自転車の鍵くらい返してやろうよ!
彦星は民事には介入しないよ!
いかん、いろんな妄想が広がる。
パパは自転車の鍵を持ったまま遠い旅路へでて、二度と帰ってこないとぼくにはわかったグリーングリーンとか。
その鍵を持てば世界を征服できるけど乗っ取られるから、火の山に捨てないといけないとか。
とりあえず、ぼくはそっとお星様に祈った。
この子に、子供らしい子供の夢を返してあげてください。
すこしだけでも。。