そんなこともあったね
この週末は気が付いたら家から外に出なかった。
いやあ、それはそれで結構満喫できるもんである。
そんなわけで、何の気なしに、INDEXの書いてないMD!を再生してみたら、昔のやったライブの録音だった。
すっかりこんなの有ったの忘れてた。
ヘルプで入ったのもあって、本当記憶から抹消されていた。
これは恥ずかしい。
これを職場とかでかけられたら、その場で死ねる事請け合いである。
これは確か23歳かそこらで一回だけのヘルプで入ったバンドだったと思う。
ドラムを打ち込みでしていたバンドだったのだが、途中までは下手なりに進んでいき、このまま終わるかと思われた矢先、絶対にリズムが狂わないドラムマシンのせいで、悲劇は訪れた。
ぼくじゃない方のギターの兄ちゃんのリズムが暴走して、バラードなのにリズムが裏返りだした。
というか裏返ったまま進行しだした。
バラードなのに、なんか変なヒップホップみたいになってる。
貴様が打ち込んだリズムだろうという、ぼくらの視線を一切無視して。
そんな状況にもかかわらず、果敢に独自のリズムで熱唱するボーカルの姿が美しい。
何にも属さない唯我独尊の姿という物は、ああいうことを言うのであろう。
この時点でリズムは3本になっている。
もはや事態は何の収拾にも向かっていないのだが、ただただ曲は進んで逝く。
ぼくとキーボードの二人がどうしていいか全くわからず、途方に暮れている感じが良く出ている。
それが証拠に、それまで全然弾いていなかったのに、曲が終わった瞬間だけ妙に張り切って弾いている。
そしてベースの兄ちゃんがその曲が終わった時に「さて、場もしっとりした所で・・・」と、強引にさっきの惨劇を無かった事にする姿に、全米が涙した。
「場がしっとり」じゃないだろう「場がしっとり」じゃあ。
「場が引いた」ことは間違いないと思うが。
しかし、若い頃の失敗というものは、恥ずかしいというかなんと言うかだが、ちょっとだけ微笑ましくもあったりする30歳の冬の足音を感じる夜である。
思えば遠くに来たもんだ。